【恵安の塩(海神之精)】のお話

【恵安の塩(海神之精)】の歴史と文化

恵安の塩(商品名:海神之精)を作る山腰塩田は福建省泉州市泉港区湄洲湾にあります。

「長寿文化の郷」、「中国海塩文化の郷」とも言われる地域です。

太古より継承されてきた製造法で作られる恵安の塩(商品名:海神之精)は、「自然の恵み」、「白い砂浜」など多くの表現で称えられてきました。

塩造りの歴史は、唐と宋の時代にまで遡ります。

その当時は塩の製造所が10か所あり4か所の製造所では海水を釜で沸騰させて塩を作っておりました。残りの6か所は天日を使って蒸発させておりました。

元の時代には全ての製造所が天日を使って蒸発させるようになりました。

明の時代には塩を結晶として作り上げる方法を確立しました。

清王朝の最盛期である時代(乾隆60年、西暦1795年、寛政7年)に大規模な塩田の建設が行われ、塩田が1海岸に隣接して建設されました。これにより塩の大規模な生産が出来るようになりました。

街は発展し、民衆は豊かになり、文化が発達しました。

2013年にはこれまでの塩造りの伝統を評価され、無形文化遺産に指定され、これに

より福建省政府によって塩田は高品質を保てるよう整備しなおされました。

 

現在の塩田の広さは920ヘクタール。

恵安の塩(商品名:海神之精)の品質

恵安の塩(商品名:海神之精)は緑色食品(グリーンフード)に認定されております。緑色食品(グリーンフード)とは食の安全と品質を約束された認証マークです。

認証を受けるためには製造工程の管理、化学物質や残留農薬、放射性物質 、重金属、ヒ素などの様々な管理が必要となります。

緑色食品(グリーンフード)は高い品質管理と食の安全の証なのです。

2010年にはISO14000とISO9000を取得し環境にやさしく塩の高品質を保つ体制となりました。

恵安の塩(商品名:海神之精)の特徴

唐の時代から千年近く受け継がれてきた独特で伝統的な塩の製造法は、大変な手間がかかりますが、環境にやさしく、自然の恵みを取り込み、大変まろやかな味わいを醸し出します。

ナトリウム量が低く(塩化ナトリウム含有量92~93%)、ミネラル分(カルシウム、亜鉛、マグネシウム、カリウムなど70種類以上)が豊富に含まれております。

こうして出来上がった恵安の塩はISOの品質管理基準にある最終検査場で手作業によって目視選別し包装されます。検査場の温度、湿度も管理されており衛生にも十分注意し高品質を維持しております。

これらの製品は全国食品品評会、工芸品博覧会で受賞し、日本、香港、韓国、東南アジア、中国の上海などにも出荷されております。

恵安の塩の製造方法

太陽の恵み、海藻と土壌の浄化作用、気候と風など長い年月をかけて独自に確立した製造法は、自然を巧みに利用しております。

  • 海水の取り込み

塩の原料となる海水は非常に重要です。

福建省の沿岸部は独特の玄武岩地形であり、塩田の干潟はきれいな砂浜です。強力な自浄能力により海水は優れた水質になります。近くの工業および家庭の下水は排出されず、海水を汚染しておりません。

海水は塩田のある泉州と台湾に挟まれた台湾海峡から満潮時に海洋深層水を取り込んだ海水が湧昇流となって運ばれてきます。そのタイミングで栄養豊富な海水を取り込みます。

1950年代に干潟を囲って海水を自然の潮の満ち引きで取り込むようになりました。1970年代には地形を利用して水門を築き海水を大量に取り込むことが出来るようになりました。1990年代には海水の品質を把握するため海水測定ステーションが設置されました。毎日専門の検査員が海水濃度と潮位の測定をしております。そうして取り込んだ海水を半月以上畜水池と言われる場所に置き、高濃度の海水を作り上げます。

  • 飽和状態の海水を造る

海水の濃度を高めるために段階的に畜水池、蒸発池の2つの設備を使います。自然の力(太陽の恵み、気候、風)を利用して塩の濃度を高めていきます。

池には海藻が生えており塩分濃度を高めながら海藻と土壌による自然浄化が行われていきます。

これらの工程により海水の塩分濃度は飽和状態にまでなり、それと同時に恵安の塩は益々品質と味が良くなっていきます。

塩を結晶化させる塩田に対して、7倍の広さが必要とされる蒸発池は補修、改修、清掃、苔の除去などと維持管理が非常に重要です。

 

  • 塩田での結晶化

飽和状態になった海水をいよいよ塩田に移します。

塩田のある福建省は雨季と乾季があり、塩の製造は乾期に行われます。

塩田に飽和海水を注ぎ込んで、およそ1週間で結晶が完成します。

塩田は床面が特殊な陶器の板(セラミック)で出来ており、それにより熱の吸収が早まり、結晶が早く完成し、また結晶した塩の品質も保つことが出来ます。

  • 結晶の収集

乾期の炎天下、塩田の陶板の上は40℃ほどになります。

結晶化した塩を専用の道具でかき集めます。

塩の製造に使用される道具は近代的なプラスチック製品などを使わずに、昔ながらの伝統的な木製や竹製の道具を使うなど拘っております。

かき集めた塩は一時保管場所に運びます。これが大変な重労働でした。

1950年代塩の運搬は天秤棒とカゴを使って行っておりました。

1958年以降は手押し車を使うようになりました。

2013年以降には電気式の運搬車が導入され随分と楽になりました。

 

集められた塩は山のように積みあげられ、半年以上保管されます。

するとその間に自然と苦汁成分が滲み出て取り除かれます。

恵安の塩の製法は大変独特な工程ですが、太古からの知恵と伝統を受け継ぎ、太陽と気候と風と自然の浄化作用。沢山の人の手間により、緻密な工程で造り上げられております。